メガバンク、都銀・ネットバンク、地銀・信金のうち最もSDGsに取組んでいる銀行は?
目次
最もSDGsな銀行とは?
これまで、メガバンク編、都銀・ネットバンク編、地銀・信金編とこれまで3回に渡り銀行のSDGsに対する取組みを見てきました。
今回はこれまでの記事を総合して、最もSDGsに取組んでいる銀行はどこなのかをランキング形式でお伝えしたいと思います。
SDGsな銀行総合ランキング
5位 三菱UFJフィナンシャルグループ・三井住友フィナンシャルグループ

https://www.smbc.co.jp/
評価:C-
総合ランキング5位は、三菱UFJフィナンシャルグループと三井住友フィナンシャルグループとなりました。いずれもグリーンファイナンス投資額を上回る化石燃料産業への投資・引受を行っています。更に統合報告書では化石燃料産業への投資・引受については言及されておらず、一目見ただけではグリーンファイナンスに積極的に取り組んでいるように見えるだけに厄介です。
しかし、両行とも2021年の統合計画書ではグリーンファイナンスを含めたESG投資を拡大させる方針を発表しています。化石燃料産業への投資・引受に関しては統合計画書での言及は確認できませんでしたが、プレスリリース等では縮小もしくは行わない姿勢を示しており、今年度の実績が計画通り実行されるか注目されるところです。
4位 みずほファイナンシャルグループ

評価:C+
総合ランキング4位は、みずほファイナンシャルグループとなりました。みずほグループはメガバンクの中では唯一グリーンファイナンス投資額が化石燃料産業への投資・引受額を上回っており、MUFG・SMFGよりは上位のランキングとなりました。しかしながら、2016年から2020年の化石燃料産業への投資・引受は約2.4兆円(MUFGとSMFGは3兆円と2.9兆円)で世界第8位となっており、決して少ない額ではありません。
一方で事業者との環境問題解決に向けた連携を強化し、社会・環境に配慮した業態への移行をサポートする姿勢を2021年の統合計画書に示し、世界的環境NGOに評価されるなどSDGsに向けた取組みを強化する姿勢を示しています。今年度の結果に注目したいと思います。
また、みずほグループに関してはシステム障害問題もユーザビリティに大きな影響を与えており、抜本的な改善が求められております。統合時の見通しの甘さとブラックボックス化した旧システムへの対処を先送りし続けた事がシステムの不安定さを生み出していると考えられ、現時点から根本解決を図るには多大な労力が必要となりますが、預金の出し入れが安心してできることは銀行の存在意義そのものでもあるため、早急かつ安定したシステムの構築が求められるところです。
3位 PayPay銀行・楽天銀行・セブン銀行・ソニー銀行

https://www.rakuten-bank.co.jp/
https://www.sevenbank.co.jp/
https://sonybank.net/
評価:B-
総合ランキング3位は4つのネットバンクが同評価で並び、PayPay銀行・楽天銀行・セブン銀行・ソニー銀行となりました。
PayPay銀行・楽天銀行・セブン銀行・ソニー銀行はいずれも化石燃料産業への投資・引受がありません。しかし、一方でグリーンファイナンスを含むESG投資も無く、積極的にSDGsに貢献している銀行とは言えませんが化石燃料産業への投資・引受は今後何十年・場合によっては100年単位で環境に負荷を与え続ける事になることを考えると評価できる点と考えられます。
ネットバンクは全国どこでも使うことができ利便性が高い為、メインバンクの選択肢として考えてよい銀行かと思います。
2位 城南信用金庫・きらぼし銀行・長野銀行

https://www.kiraboshibank.co.jp/
https://www.naganobank.co.jp/
評価:B+
総合ランキング2位は、地銀・信金の中からの選出となり城南信用金庫・きらぼし銀行・長野銀行がランクインとなりました。
城南信用金庫・きらぼし銀行・長野銀行は化石燃料産業への投資・引受が無く、2020年度のグリーンファイナンス投資実績も確認できませんでした。この点では3位のPayPay銀行・楽天銀行・セブン銀行・ソニー銀行と同じなのですが、城南信用金庫は2019年にグリーンボンドとソーシャルボンドに各1件、2018年にソーシャルボンド1件に投資しており、きらぼし銀行は2018年、2017年に各1件のグリーンボンドに投資、長野銀行は2013年にグリーンファイナンス投資を1件行っております。 この点を考慮いたしまして、この3行を2位とランキングさせていただきました。
城南信用金庫及びきらぼし銀行は東京都と神奈川県、長野銀行は長野県に主に支店があり、これら地域以外の方にはなじみが薄い銀行かと思いますが、きらぼし銀行と長野銀行はセブンATMの平日昼間手数料が無料(きらぼし銀行:平日8:45~18:00 長野銀行:平日8:00~21:00)となっており、全国的に利便性が高い銀行といえます。
1位 じぶん銀行

評価:A-
総合ランキング1位は、au系のネットバンクであるじぶん銀行となりました。
じぶん銀行は化石燃料産業への投資・引受がゼロであり、2020年度にグリーンファイナンスの一つである 「CBIプログラム認証付きサステナビリティボンド」の購入を実施している点を評価し1位に選定させていただきました。 「CBIプログラム認証付きサステナビリティボンド」は国際的第三者機関であるDNVに環境改善効果が認められた鉄道・運輸機構の債権です。
じぶん銀行はネットバンクであるため、全国的に利用が可能であり当サイトの調査した中ではグリーンファイナンスを実施している唯一のネットバンクとなりました。今後、ネットバンクの中でも同様の取組みが広がっていくことを強く願います。
まとめ
今回の投稿では、これまで3回に渡りお伝えした銀行の投資姿勢に関して、メガバンク3行、都銀・ネットバンク11行、地銀・信金107行を調査した結果をまとめてお伝えいたしました。
2020年度の投資姿勢に関しては、じぶん銀行が最もSDGsに配慮した姿勢である事が判明しました。しかし判断の年度をもう少し広げると城南信用金庫やきらぼし銀行も非常に優れた実績を有していることが確認でき、2位以上の銀行の投資姿勢は近いということができるかと思います。
また、3位のネットバンク4行に関しても化石燃料産業への投資・引受がゼロであると言う点で選択に値する銀行であると考えられます。
当然のことではありますが、それぞれの銀行にはSDGs以外の側面で特徴・地域制があり、このサイトをご覧いただいた皆様がお住いの地域制や好みに合わせて、SDGsの促進さらには私達や次の世代に資する選択をなされる際に参考にしていただければ幸いです。
次回はSDGsなふるさと納税についてお伝えしたいと思っています。
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参考サイト
三菱UFJフィナンシャル・グループ
https://www.mufg.jp/index.html(参照 2021-09-29)
三井住友フィナンシャルグループ
https://www.smfg.co.jp/(参照 2021-09-29)
みずほフィナンシャルグループ
https://www.mizuho-fg.co.jp/index.html(参照 2021-09-29)
PayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)
https://www.paypay-bank.co.jp/(参照 2021-09-29)
楽天銀行(旧イーバンク銀行)|ネットバンク
https://www.rakuten-bank.co.jp/(参照 2021-09-29)
セブン銀行
https://www.sevenbank.co.jp/(参照 2021-09-29)
ソニー銀行(ネット銀行)
https://moneykit.net/(参照 2021-09-29)
城南信用金庫
https://www.jsbank.co.jp/(参照 2021-09-29)