日本では、年間約600万トンの食べられる食品が廃棄されています。これは世界食糧支援量の1.4倍にあたります。
地球は全人類分の食料を供給できなくなりつつある
世界の飢餓人口は2018年時点で約8億2160万人。世界人口76億人の10人に1人は飢餓に直面している計算になります。また、昨年からのコロナウィルスの蔓延によって、開発途上国の40%~85%を占める小規模食糧生産者は大きな打撃を受け、食料生産量が更に低下する可能性を国連のSDGs報告2020が警告しています。
世界の人口は2030年には85.5億人、2050年には97.4億人に達すると試算されており、食糧不足の問題は更に深刻さを増していく可能性が高いです。今の生産・消費体制では全人類を食べさせるだけの食料を地球は生産できない所まで来ているのです。
世界的な食料不足は日本にも影響している
食料不足の問題は、飽食と言われる日本にも無関係ではありません。そのほとんどを輸入に頼っている小麦や大豆、砂糖、トウモロコシなどは相次いで値上げが始まっています。
生産地の気候変動による不作と、地球人口の増加によって家畜の飼料として消費する量が増加している為と言われています。これらの要因によって、穀物が足りなくなってきている為に価格が高騰し始めているのです。
穀物だけではありません。魚介類に関しても2013年時点で持続可能な水準にある魚種資源の割合は69%に過ぎず、このままのペースで漁業を続ければ多くの魚種が絶滅の危機に瀕する事が指摘されています。
日本が世界最大の消費国であるマグロも例外ではありません。複数の種類が(太平洋クロマグロ・大西洋クロマグロ・インドマグロ・メバチマグロ)国際自然保護連合の絶滅危惧種に指定されています。特に大間のマグロとして有名な太平洋クロマグロは、漁が無かった時代に比べ3.3%しか残っていないという調査結果もあります。
フードロス削減は一人ひとりの意識と行動が鍵
世界の飢餓人口を減少させる事や、穀物・魚種資源の問題は、1消費者である私たちが直ぐに対処できる問題では無いように思えますが、実はそうではありません。
飢餓の問題は、基本的に「食べるものが物理的に無い」事が要因です。理由は様々ですが日本のような食料自給率の低い先進国が消費しきれない程の量を買えば、その国の食料の絶対量は減少します。必然的にその国では食料が行き渡らなくなるケースが発生しうる状態が生まれる事となります。魚種資源に関しても、ウナギを始め売れ残った魚の多くは鮮度が落ちて食べられなくなってしまう為、大量に廃棄されています。世界全体の統計ですが漁獲された魚の35%は捨てられているという調査結果もあります。
私たちは世界中から消費しきれる以上の食料を買い、魚を取り過ぎているのです。それは、私たちが直ぐに手に入る商品を求めたり、できるだけ賞味期限が先の商品を買ったり、少しでも形が崩れた食品を購入しようとしない事と無関係ではありません。フードロス削減は消費者一人ひとりの意識と行動にかかっているのです。
買い物行動を変える事でフードロスを削減する
そのままでは、捨てられてしまう規格外商品や訳あり商品を購入する行動は、フードロス削減に大きな貢献となります。いくつか、そんな規格外商品や訳あり商品をネットで購入できるサイトをご紹介いたします。
01食べチョクの規格外食材

生産者さんから「チョク」で食材が購入できる「食べチョク」。最短で収穫から24時間の食材が届く鮮度の高さが魅力です。商品説明には生産者さんご自身の説明による思いのこもった文章があふれています。市場に出回らない商品や限定商品の取り扱いもあり、約20,000点の食材が出品されています。
食べチョクでは、規格外食材についても取組みが行われており、「規格外」で検索すると野菜や海産物の規格外商品を一覧で見ることができます。出店数が多い為規格外食材も常時充実しており、季節の旬の食材が数多く出品されています。
規格外食材は今までは捨てられてしまう事が多く、フードロスの原因となってきました。形や色が悪いだけで売る事ができないというのはおかしな話です。見た目は味に影響しない事が多いですからね。食べチョクには鮮度が良く、おいしい食材がたくさんあります。規格外食材を積極的に使用してフードロス削減に貢献していきましょう。
「食べチョク」の規格外食材
02食べチョクの賞味期限が近い商品

食べチョクでは、賞味期限切れが近い商品の検索も可能です。こちらは、加工食品がメインになっています。規格外食材よりは少な目ですが、現在は50点ほどの商品が掲載されています。(時期によっては非常に少ないこともあります。)
賞味期限切れ商品も廃棄となってしまう事が多いケースです。お好みの商品が出品されていないかご覧になってみてはいかがでしょうか。
「食べチョク」の賞味期限が近い食材
03KURADASHI

KURADASHIは日本のフードロス半減を目指して2014年に設立された株式会社クラダシが運営するサイトです。SDGs達成への取組みも意識されておりサイト説明のページでは、
目標12.3「2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食料の損失を減少させる。」
目標12.5「2030 年までに、廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減する。」
について言及されています。
KURADASHIでは、フードロス削減に賛同した企業から最大97%OFFで商品を仕入て販売しています。売上の一部を環境保護や動物保護団体などに寄付し、自社でKURADASHI地方創生基金やKURADASHIフードバンク支援基金の運営も行っています。
賛同企業は800社を超えており、多くの大企業も賛同企業として参画しています。日本最大の社会貢献型ショッピングサイトと言えるでしょう。上場企業には東証からSDGsへの取組み状況(非財務情報)の開示が求められており、KURADASHIの賛同企業は今後も増えていく事と思われます。
商品ラインナップは非常に豊富で、食品だけでなくワインや日用雑貨、美容用品も取り扱っており、どれもがちょっとびっくりするような価格で販売されています。しかも、商品価格の中には寄付の金額も含まれておりユーザーが購入するたびに寄付金が積み上げられる仕組みとなっています。マイページでユーザー自身の社会貢献度合いが確認できるので、貢献を実感する事ができます。
フードロスを削減できて、安価で購入でき、寄付もでき、賛同企業としても食品廃棄のコストを削減できるうえ、社会貢献も行う事ができるのでまさにSDGsの考え方そのものと言える、非常によく考えられた仕組みを構築されていると思います。
是非皆さんもサイトをご覧になってみてください。
KURADASHI
04perrotの「訳あってお買い得!」
(23区・横浜・川崎限定)

「perrot」は、飲食店の鮮魚仕入専門サイトの「魚ポチ」や鮮魚店「sakana bacca(サカナバッカ)」を展開する株式会社フーディソンが運営する一般消費者向け食料品販売サイトです。
魚介類の商品ラインナップが充実したサイトですが、賞味期限が近付いた商品を「訳あってお買い得!」としてコーナーを設け、20%~30%OFFで販売しています。数はそれほど多くないですが、やはり魚介類の出品が多いようです。「魚ポチ」や「sakana bacca(サカナバッカ)」で取り扱う商品も掲載されており、市場には出回る事が少ない魚などを購入可能な点も魅力です。
配送エリアが東京23区と横浜、川崎に限定されている点は残念な所ですが、該当地域にお住いの方は利用をご検討されてはいかがでしょうか。
Perottの「訳あってお買い得!」

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