SDGsなふるさと納税3回目は肉加工品を取り上げます。

「SDGsなふるさと納税」3回目は肉加工品を取り上げます。お肉をSDGsの視点で考えた場合、解決すべき課題がたくさんあります。中でも肉加工品は材料のトレースが難しく家畜として飼育された動物のお肉は選ぶ事ができません。そのため肉加工品編ではジビエの肉加工品編を取り上げる事といたしました。

返礼品の内容を詳しく調査しSDGsに貢献でき、寄付者も満足できる高評価のふるさと納税だけを厳選し、地方活性化とSDGsが両立できる返礼品をご紹介していきます。

目次

  1. なぜジビエの肉加工品しか紹介できないのか
  2. 各ふるさと納税サイトの特徴について
  3. SDGsなふるさと納税【肉加工品(ジビエ)編】
  4. まとめ

なぜジビエの肉加工品しか紹介できないのか

前回の「SDGsなふるさと納税2」に引き続き、お肉の返礼品について取り上げていきます。今回の「SDGsなふるさと納税3」ではジビエのお肉のみに絞ってご紹介していきます。その理由は、畜産業には「食料と飼料の競合問題」や牛の吐き出す「メタンガスによる温室効果の問題」があるためです。

食料と飼料の競合問題とは、肉牛や豚・肉用鶏を食べるより穀物を人間が直接食べたほうが多くのたんぱく質を摂取する事ができるというものです。これらの畜産では飼料にトウモロコシや大豆・麦などが使われており、これらを直接食べた方が多くのたんぱく質を摂取する事ができるのです。(詳しくは、「SDGsなふるさと納税2 食料と飼料の競合」をご覧ください。)

また、メタンガスによる温室効果の問題とは、主に牛の反すうや糞尿によって二酸化炭素の25倍から300倍の温室効果をもたらすメタンガスや一酸化炭素が排出される問題です。世界全体の牛のメタンガスによる年間の温室効果ガス排出量は二酸化炭素20億トンにもなり、日本の年間二酸化炭素排出量の2倍に相当します。(詳しくは、「 SDGsなふるさと納税2 牛のメタンガスと一酸化炭素」をご覧ください。 )

これらの問題を持つ家畜のお肉は「SDGs2飢餓をゼロに」や「SDGs13気候変動に具体的な対策を」とは相容れない存在である事が現状なのです。

しかし、これらの問題に対して「食べない」という方法以外に全く解決策が無いかというとそうではありません。豚などは人間が食べる事のできな牧草などでも飼育できるため、廃棄予定の食糧や牧草などだけで飼育するば、これらの問題はクリアする事ができます。また、ある海藻を食べさせる事で牛の胃の中で発生するメタンガスを削減する研究や、メタンガスの排出が少ない牛の研究、餌の改善による糞尿に含まれる一酸化炭素を半減させる研究もおこなわれています。このように現在の問題点を新たな技術やイノベーションで解決する事こそがSDGsであり、その取り組みは確実に進んでいます。(詳しくは、「SDGsなふるさと納税2 食料と飼料の競合」および「 SDGsなふるさと納税2 牛のメタンガスと一酸化炭素」をご覧ください。)

ただ、これらの取組みによるお肉が市場に登場するには、もう少し時間がかかると思われます。また、加工品とされたお肉は材料のトレースが難しく、これらの問題をクリアしているか否かの判断が困難という側面もあります。

このような理由から、個体数が増加しすぎたため自然環境や農作物に悪影響を与えつつある自然動物のお肉であるジビエに絞って返礼品をご紹介する事としています。

各ふるさと納税サイトの特徴について

この調査では、返礼品掲載件数上位4サイトの楽天ふるさと納税・ふるさとチョイス・さとふる・ふるなびに掲載の返礼品の内SDGsを銘打つ返礼品に対して、その自治体や生産者の取組み内容を確認しSDGsを推進していると認められる返礼品を選定しています。

なお、ふるさと納税の対象となる総自治体数は1788となりこの4サイトの取扱い自治体合計は延べ4045自治体となりますので、すべてカバーされている事となります。(ふるさとチョイスは全自治体をカバーしている事をサイト上で明言しています)

これからご紹介する4サイトにはポイント還元率などでそれぞれ特徴があります。

サイト名自治体数SDGs返礼品数ポイント還元率レビュー
ふるさとチョイス1788227なしコメント式
楽天ふるさと納税13081560最大30.5%5スター+コメント式
さとふる990101なし5スター+コメント式
ふるなび6792451%5スター+コメント式
2021年10月5日時点各社発表資料に基づく

ふるさとチョイスは全自治体をカバーしていますが、SDGsを銘打った返礼品は楽天ふるさと納税が最も多く他のサイトとはかなり差が出ています。また、楽天ふるさと納税とふるなびはそれぞれ寄付金額に応じて楽天ポイントやふるなびコインといったポイント付与があります。ふるなびコインはPayPayやアマゾンギフト券へ交換が可能となっています。また、返礼品の選択時に参考にしたいレビュー機能はどのサイトにもありますが、ふるさとチョイスのみが星の表示がないコメントのみの方式となっています。

楽天ふるさと納税は最大30.5%のポイント還元率で非常にお得ですが、楽天カードプレミアムで支払う事や楽天銀行口座よりの引き落としなど15件以上の要件を満たした上、買い回りキャンペーンなどが適用された場合のポイント数ですので、満額ポイントを得るのはかなり困難です。何も条件を満たしてない場合は1%ですので条件に該当しない方はご注意ください。

当ブログではブログをお読みいただいた方に返礼品に満足いただきたいという思いも持っています。できるだけそうなっていただくために、特別な場合を除き複数件の評価がありなおかつ楽天ふるさと納税で星4.5以上の返礼品のみご紹介してまいります。なお、複数のサイトで取扱いのある返礼品はすべてリンクをご紹介させていただく方針です。それぞれのサイトの特徴をご確認の上使用するサイトをお選びいただければと思います。

SDGsなふるさと納税【肉加工品(ジビエ)編】

【長崎県対馬市】対馬の絶品島ジビエ シャルキュトリー 4種詰め合わせ 寄付額10,000円

長崎県対馬市のふるさと納税「対馬の絶品島ジビエ シャルキュトリー 4種詰め合わせ」
引用元:https://item.rakuten.co.jp/f422096-tsushima/a4-087/

SDGsポイント個体数増加で環境・農業問題化しているイノシシ・シカの肉加工品

最初にお伝えするのは、長崎県対馬市の対馬の絶品島ジビエ シャルキュトリー 4種詰め合わせです。

対馬市は九州と朝鮮半島の間に浮かぶ島です。島で生まれたイノシシやシカは他の地域に出ていく事無く増え続けるため、自然環境や農作物への被害が問題となっています。

イノシシは明治以降には森林伐採によって個体数が激減しましたが、1960年ごろから燃料の主体が木炭から化石燃料に変わり森林伐採が減り手入れもされなくなった為、イノシシの格好の生息地となり個体数の増加につながっています。イノシシはお米やイモ類を好み、農作物への被害が深刻化しています。

シカも同様に明治期に乱獲などによって数が激減しましたが、保護政策やハンターの減少、天敵となるニホンオオカミが絶滅したことなどによって近年大幅に個体数が増加しました。シカは個体数が増えすぎエサが少なくなっているため、植林した苗木や木の皮なども食べてしまい林業・森林の維持に大きな影響が出ています。

そこで、イノシシやシカを美味しく食べてもらおうと対馬市が考えたのがジビエのシャルキュトリーです。

シャルキュトリーという料理を私は恥ずかしながら初めて知ったのですが、フランス語で肉加工品のことだそうです。つまりは肉加工品という事なのですが、そこはフランスの肉加工品。レビューには「ワインに合う」という声が並んでいます。重めの赤ワインに合いそうですね。評価は非常に高く楽天ふるさと納税では10件の投稿で全員が満点の5点をつけていらっしゃいます。リピーターもいらっしゃるようです。

楽天ふるさと納税 【長崎県対馬市】対馬の絶品島ジビエ シャルキュトリー 4種詰め合わせ

ふるさとチョイス 【長崎県対馬市】対馬の絶品島ジビエ シャルキュトリー 4種詰め合わせ

ふるなび 【長崎県対馬市】対馬の絶品島ジビエ シャルキュトリー 4種詰め合わせ

【長野県根羽村】大人気!90セット限定 手作り鹿肉ハンバーグ 8個入り 寄付額5,000円

長野県根羽村のふるさと納税「】大人気!90セット限定 手作り鹿肉ハンバーグ 8個入り」
引用元:https://item.rakuten.co.jp/f422096-tsushima/a4-087/

SDGsポイント個体数増加で環境問題化しているシカの肉加工品

次にお伝えするのは、長野県根羽村の手作り鹿肉ハンバーグです。

日本アルプスをはじめ豊かな自然が広がる長野県でもシカの被害は深刻です。2009年度の農林業被害は7億9百万円にも上り以降も高止まりしています。このような事態を改善するため長野県では鳥獣対策・ジビエ振興室を設け、積極的なジビエ料理の普及に努めています。

そんな長野県の根羽村の返礼品の手作り鹿肉ハンバーグは、猟師歴30年以上のベテランが丁寧に捌いた鹿肉を1つ1つ手作りで作られています。評価は非常に高く「味のとりこ」「見つけたら迷わずチョイス」「臭みがなく美味しい」という声が投稿されています。楽天ふるさと納税では17件の投稿で星4.71となっています。

限定90個となっていますので、気になる方はお急ぎください。(10月23日時点で残り51個となっています)

楽天ふるさと納税 【長野県根羽村】大人気!90セット限定 手作り鹿肉ハンバーグ 8個入り

【山梨県富士河口湖町】日本鹿のテリーヌ6枚 寄付額18,000円

山梨県富士河口湖町のふるさと納税「日本鹿のテリーヌ6枚」
引用元:https://item.rakuten.co.jp/f194301-fujikawagutiko/as006-r/

SDGsポイント個体数増加で環境問題化しているシカの肉加工品

最後にご紹介するのは、山梨県富士河口湖町の日本鹿のテリーヌ6枚です。

通常当ブログでご紹介するふるさと納税は、楽天ふるさと納税での評価が3件以上あり4.5以上の星を獲得している返礼品のみとしていますが、こちらは例外としてご紹介いたします。

こちらの返礼品は、東京・広尾のジビエ専門レストランマノアさんが作られた返礼品で非常に美味しいと私の知人が紹介してくれました。

レストランマノアのオーナーはご自身がハンターであり狩猟免許をお持ちです。自らも日本中に猟に出かけジビエを仕入れていらっしゃるそうです。ジビエ好きの方の間ではかなり話題になっているお店です。

そんなレストランの手により作られたジビエのふるさと納税ですから、間違いなくおススメできると思い掲載させていただく事いたしました。今回当ブログでは山梨県富士河口湖町のふるさと納税を取り上げさせていただいていますが、マノワさんは全国各地のジビエのふるさと納税を手掛けていらっしゃいます。そちらのリンクも張っておきますのでご覧になってみてください。ご家庭で本格ジビエレストランの味が堪能いただけると思います。

なお、レストランマノワさんの食べログでの評価は347件の投稿で3.87(10月22日時点)となっています。

楽天ふるさと納税【山梨県富士河口湖町】日本鹿のテリーヌ6枚

レストランマノワのジビエ返礼品

ふるさとチョイス 【山梨県富士河口湖町】日本鹿のテリーヌ6枚

ふるなび 【山梨県富士河口湖町】日本鹿のテリーヌ6枚

まとめ

今回は肉加工品のふるさと納税をご紹介いたしました。改めて全国の返礼品を見てまいりますと、シカやイノシシの被害に悩まれている自治体が非常に多いのだという事に気づかされました。こういった問題も地域の努力だけでは解決は難しく、多くの人にそのおいしさを知ってもらい食べてもらうことが必要だと思います。このブログがほんの少しでもその助けとなる事ができれば、こんなにうれしい事はありません。

今回も、最後までお読みいただきありがとうございました。次回はSDGsなふるさと納税「米・穀物編」をお送りします。

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参考サイト

畜産の必要性について考える|農畜産業振興機構
https://www.alic.go.jp/joho-c/joho05_001382.html (参照 2021-10-10)

人間と家畜による穀物争奪戦が起きる|NIKKEI STYLE
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO83976700V00C15A3000000/(参照 2021-10-10)

楽天ふるさと納税
https://event.rakuten.co.jp/furusato/?l-id=furusato_pc_top_headmenu_top (参照 2021-10-21)

ふるさとチョイス
https://www.furusato-tax.jp/?header (参照 2021-10-21)

ふるなび
https://furunavi.jp/ (参照 2021-10-21)

さとふる
https://www.satofull.jp/ (参照 2021-10-21)

ビジネス特集 牛も脱炭素の時代! | NHKニュース
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210524/k10013048061000.html (参照 2021-10-16)

家畜が地球温暖化の要因? | NPOローハスクラブ
http://www.lohasclub.org/eyes/global_1/ (参照 2021-10-16)

2019年度(令和元年度)の温室効果ガス排出量(速報値)について
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/ghg-mrv/emissions/material/sokuhou_all_2019.pdf (参照 2021-10-16)

Caretaker

 
管理人の顔のイラスト SDGs検定合格者証明ロゴ

 Takahiro
 Fujii

気候変動や海洋プラスチック問題に危機感を感じSDGsを知りました。

この度晴れてSDGs検定に合格できたので、このサイトを立ち上げる事といたしました。本業はシステムエンジニアです。

SDGsの内容や個人で取り組めるSDGSについて幅広くお伝えしていきたいと思っています。

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